航空機産業における技術の開発は、機体・エンジンメーカーだけでなく、部品・素材等関連産業の技術開発力の向上をもたらし、また、その成果の他産業への波及効果も大きく、産業構造の高度化を促進させる役割が期待されます。日本の民間航空機産業は、国産旅客機YS-11の開発・生産・販売以来、YX/767、B777及び民間航空機用エンジンV2500、CF34の開発・生産等への参加を通じて国際的にも高い評価を得てきました。
しかしながら、航空機等の開発には大きなリスクを伴うため、できるだけ効率的な資金の投入を図って行く必要があるとの判断から、航空機等の国際共同開発を促進するための機関を設け、この機関を通して国として適切な国際共同開発プロジェクトに対する効率的な助成を行う体制を整備することとなりました。
本基金の目的は、航空機工業振興法に基づく指定開発促進機関として、航空機等の国際共同開発を行う者等に対する助成を行い、加えて航空機等の国際共同開発を促進する事業等を行うことにより、航空機産業を振興するとともに、産業技術の向上及び国際交流の進展を図り、もって我が国産業の発展に寄与することにあります。
この趣旨と目的に沿って、我が国の民間航空機産業は最近ではB787並びに同機用エンジンGEnx、Trent1000、更にはPW1100G-JMエンジンや777X並びに同機用エンジンGE9Xの開発等、大規模な国際共同開発プロジェクトへ参加し国際的な評価を確立して来ており、今後とも積極的に国際共同開発プロジェクトに参画すると共に、技術開発のみならず販売、プロダクト・サポート等でも事業機会の拡大が期待されています。